スマートフォンを活用した案内技術や音声案内は近年さまざまな場所で導入が進んでいます。
視覚障がい者への情報提供だけでなく、多言語対応や施設案内など活用の幅も広がっています。
その中で、私たちが最近あらためて感じたのは、「案内情報は、現場状況と一致してこそ機能する」ということでした。
たとえばデジタル案内の一つであるナビレンス(NaviLens)では、「この場所でスタッフが誘導します」「こちらのルートをご利用ください」といった情報を提供できます。でも実際の利用場面において、案内の内容と現場の状況が一致していないと利用者は混乱してしまいます。
スタッフが誘導すると案内があってもスタッフが見つからない。
案内で説明されているようなルートが通れない。
現場側と情報共有がされていない。
こうした小さなズレは、一般利用者にとってはちょっとした相違かもしれません。別ルートにいくこともさほど困難ではないかもしれません。しかし視覚障がいのある方にとっては、移動そのものへの不安につながることがあります。
だからこそ、アクセシビリティ対応では「技術を導入した」だけでは十分ではありません。
実際の導線はどうなっているか。
スタッフは案内内容を共有しているか。
利用者が迷ったとき、フォローできる体制があるか。
そうした“運用”まで含めて設計することが重要だと感じています。
これはナビレンスに限らず、サイン計画、音声ガイド、多言語案内、Webアクセシビリティなどにも共通する考え方です。
グラフィックメイトでは、単に情報制作をするだけでなく、「誰が、どの場面で、どう受け取るか」を意識した情報設計を大切にしています。
ユニバーサルデザインは、「配慮を加えること」ではなく“実際に使える状態をつくること”。
現場での経験を通じて、その重要性を改めて感じています。

