“読めない”は 社会的障がいなんだ

 

当社が導入している音声コードUni-Voice(ユニボイス)。そのUni-Voiceコードを作成するJAVIS APPLIを開発した「特定非営利法人 日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)」さんをお訪ねし、開発の経緯や普及への思いなどを伺いました。

 

特定非営利法人 日本視覚障がい情報普及支援協会 能登谷理事長

同 情報支援担当 長谷川さん

同 アプリ開発  井戸上さん

Uni-Voice事業企画株式会社 広報担当 北原さん

ありがとうございました。

 

JAVISって、どんなとこ?

 

「特定非営利法人 日本視覚障がい情報普及支援協会(JAVIS)」は、音声コード作成アプリケーション JAVIS APPLIのリリースと同時にその普及と社会的インフラにすることを目的に、2003年に設立された団体です。

現在はJAVIS APPLIだけではなく、音声による情報普及アプリケーションの開発をするとともに、アプリケーションの課題提案・検証などのモニターであるサポート会員や視覚障がい当事者の交流・意見交換の場所であるJAVISサロンの運営を行なっています。

(日本視覚障がい情報普及支援協会のWebサイトはこちら→ https://www.javis.jp/

 

それは、友だちの願いから始まった

 

そもそも音声コードの開発はどのように始まったのでしょうか。それはJAVIS理事長の能登谷さんとご友人の会話がきっかけでした。

「自分の給与明細やクレジットカードの使用明細を妻に見せたくない。自分で読みたい」。
視覚に障がいがあるご友人の切実な願いを受けて、能登谷理事長は「なんとか解決できるだろう」と思ったそうです。そこが音声コード開発のスタートでした。

 

ひとりの男が乗り込んだ!

 

2013年、JAVISにひとりの男が乗り込んできました。

「音声コードを読み上げるUni-Voiceアプリが使いにくい」。

その後、アプリ開発の先頭に立つことになる井戸上さんでした。

 

目の手術を受けた病院のATMで、その明細を読めないことが衝撃だったそうです。

「これからは、預金額も何もかも人に見られるようになるのか」。

そんな生活が嫌だと思っている中で巡り会ったのが音声コード。でも使っているうちにストレスが溜まっていきました。そのことを伝えると、能登谷理事長は一言。

「じゃあ、ここであなたがアプリ開発をリードしてください」。

かくして今に至るそうです。

         

“読めない”は社会的障がいなんだ

 

長谷川さんも井戸上さんも、50歳近くで見づらい生活になりました。「初めて会った視覚障がい者が自分だったんです」

「それまで、見えない人は見える人に読んでもらえば良いって思っていたんですけど、そうじゃない」

「そのうちわかるんですよ。見えないから読めないんじゃなくて、読めない形で渡されるから読めないんだって」

 

「読めない形で渡されるから読めない」

この言葉は問題のど真ん中を撃ち抜いてるいるんじゃないでしょうか。

見えない人にも伝わるような形で渡せばいい。その方法が音声コード。音声コードの利用で、見える人、見えない人、見づらい人、すべての人に同じように情報を届けることができます。

 

現在はまだ一部の印刷物にしか音声コードはついていません。「ついているものとついていないものがあるから使い勝手が悪い」という当事者のお声ももっともです。

改正障害者差別解消法の「合理的配慮の提供義務化」の施行は目前。

当社では音声コードを使用した印刷物の制作を更に進めていきます。

 

 

会議スペースのテーブルを囲んで、5人が座っています。左からJAVISの長谷川さん、関連会社・Uni-Voice事業企画株式会社の北原さん、グラフィックメイトの大里、横山、右端がJAVISの能登谷理事長
JAVISさんにお邪魔してお話を伺いました。右端が能登谷理事長

 

印刷物であるならUni-Voiceの使用で、見える人、見えない人、見づらい人、すべての人に同じように情報を届けることができます。

当社ではUni-Voiceコードを使用した印刷物の制作を更に進めていきます。