わかりにくさの社会問題

 

8月18日〜20日に東京都立産業貿易センター 浜松町館で開催された「伝えるためのユニバーサルデザインフェア」に行ってきました。

会期中にさまざまなセミナーやワークショップが行われますが、私は初日の【お客様に「わかりやすい」情報発信をするために】を受講しました。

 

「伝えるためのユニバーサルデザインフェア」のプログラム。ボードに貼られたポスターがイーゼルに乗っています。
「伝えるためのユニバーサルデザインフェア」のプログラム

 

【お客様に「わかりやすい」情報発信をするために】は、社団法人ユニバーサルコミュニケーションデザイン協会の常務理事・事務局長 三村 一夫氏のセミナー。「わかりにくさの社会問題」があるということがとても印象的で、具体的な事例によるセミナーはとても参考になりました。

わかりやすい例があったのでご紹介します。

 

2020年「新型コロナウイルス感染症対策」の10万円給付の申請。

ある自治体が発送した申請書には、受給対象者の名前が印字されていて「不要な人にチェックしてください」と書かれていたそうです。

通常のアンケートでは「必要なものにチェック」することが多いため、必要にもかかわらず「不要」にチェックされたものが多かったとか。

結果として確認のための時間やコストがかかってしまったという事例。

その解決方法は!

 必要/不要の2つの欄を作ることで思い込みチェックが減る 

どちらにチェックすべきかと考えさせるわけです。紙面デザインの工夫ですね!

 

ある保険会社の契約書の文章。

「ご契約される前に必ずお読みいただきお申し込み下さいますようお願いいたします」

よ〜く読めばわかるものの「え?つまり何?」と読み返してしまいます。

この文章のわかりにくさの原因は

 ・2つのことを1つの文章で言っている

 ・敬語の使いすぎでかえって回りくどい

  ↓ ↓ ↓ ↓ ↓

「ご契約前によくお読みください」

こう言い換えることでスッキリ伝わる!文章力が試されます。

 

 

この他にも

文章の行間や行長、紙面のデザインによって読みやすさや理解しやすさが変わる。

 ↓

読みやすく理解しやすいことでお客様からの問い合わせ(意味の確認や不明内容などに対するもの)が減る。

 ↓

それはつまり業務の効率化にもつながる。

 

 

デザイン会社として当社が心がけている「伝わるデザイン」の重要性をはっきり言語化してくださいました。

「わかりやすい情報発信」は「わかりにくさの社会問題」を解決できる。「伝わるデザイン」は、お客さまのためだけでなく発信側のためにも非常に大事なことだと実感しました。

 

グラフィックメイトでは原稿作成からデザインまで、トータルに「伝わるデザイン」をご提案します。