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10年後を見据えるデザイン

当社事務所は、港区六本木の国立新美術館の向かいにあります。

ベランダから見える美術館の庭は、季節ごとに表情を変えます。春には桜が咲き淡いピンクが広がります。追いかけるようにサツキ(ツツジ?)が咲いて、白、赤、ピンクのコントラストが美しい。新緑の季節になれば鮮やかな緑が目を楽しませてくれます。

 

 

 

毎日眺めていて感じるのは、この庭がいつも美しく整えられていること。年月が立つことで美しさに変化があることです。

 

以前、植木職人の方から興味深い話を聞きました。

 

「木や植物は、10年後、20年後にどう育つかを考えて植えるんですよ」

 

そのとき、社史や年史のデザインに似ていると思いました。

デザインというと、ポスターやパンフレット、Webサイトなど、目に見える形を整える仕事だと思われがちです。しかし実際には、その先の時間も考えて設計しています。

 

企業の広報誌なら、数年後に読み返したときにも価値が残る内容になっているか。社史や記念誌なら、10年後、20年後の社員や地域の方々にどのように受け継がれていくか。そんなことを考えながら制作しています。

 

平面デザインには縦と横があります。建築や展示には奥行きも加わります。

 

そしてもう一つ、大切な要素があります。

 

それが「時間」です。

 

植物が成長するように、人も企業も地域も変化していきます。その変化を見据えながら形をつくることも、デザインの役割ではないかーー
国立新美術館の庭の新緑を眺めながら、そんなことを考えた初夏のひとときでした。