先日、話題の万博に行ってきました。
事前準備が不十分で、人気のパビリオンの事前予約はほとんど取れないままの参戦。「これは失敗だったかも…?」と一瞬思いましたが、いざ会場に足を踏み入れてみたら、思いのほか楽しむことができました。
3日前予約、当日予約でいくつかの予約必須パビリオンにはなんとか入場できました。それらは確かに評判どおりの充実ぶりで、見応えがありました。でも実は、予約なし・待ち時間ゼロで入れたパビリオンが意外に良かったのです。
ある海外パビリオンでは「すぐ入れます!」と呼び込みをしていて、「涼みがてら入ってみようか」と軽い気持ちで入ったら、展示がとても興味深い内容なうえ、混雑していないからゆったり楽しむことができました。
また、複数の国が出展している「コモンズ館」では、それぞれの文化やメッセージが展示されており、「そういえばこういう国もあったな」と学生時代の記憶をたどったり、「この辺りは同じ文化圏なのか」と再認識したり。
なかには戦時下にある国の展示もあり、展示そのものだけでなく、その国の“今”についても考えさせられる時間となりました。
万博というお祭りの中にも、現実と向き合う場がちゃんとあるという点に、深い意味を感じました。
今回の万博でのもうひとつの目的は、視覚障がい者、多言語向けの移動を支援する「NaviLens(ナビレンス)」の視察です。
ナビレンスコードは、会場内の案内サインやトイレ、いくつかのパビリオン(日本館、関西パビリオン、大阪ヘルスケアパビリオン、ほか)に設置されています。
ほかにも、視覚に障がいのある方向けツールのshikAI(シカイ)、遠隔手話通訳サービス、歩行補助器具の貸し出し、EXPOホンヤクやテキストアナウンスなど言葉の壁を越えるツールなど、さまざまなユニバーサルデザインの取り組みがされています。
一部ではありますが、それらを見たり体験したりできたことも今回の収穫となりました。
デザインに携わる者として、ただ楽しいだけでなく「情報をどう届けるか」という視点でも多くの学びがありました。そしてナビレンスの導入が進んでいることも非常に心強いことです。
多様な人が安心して楽しめる場所づくりのヒントが、この万博にはたくさん詰まっていました。
これから訪れる方には、ぜひ「予約が取れなくても大丈夫!」という気持ちで、気楽に楽しんでほしいと思います。

