今年6月の東京都議会議員選挙。投票所入場整理券の封筒を見て、「あ、今回もちゃんとついてる」と思いました。
そうです、音声コード「ユニボイス(Uni-Voice)」のことです。
以前このブログでもご紹介した通り、世田谷区ではすでに投票所入場整理券の封筒にユニボイスを掲載しています。
今回も同様に、封筒の裏面・左下に音声コードがあり、スマートフォンなどで内容を聞くことができます。

何度もご紹介しているので本ブログをお読みくださる方はご存じと思いますが、このコードは印刷物の情報を音声で届けることができる仕組みです。文字が読みづらい方、視覚に障害のある方にとって、とてもありがたいサポートになります。
これまたご存じかもしれませんが、音声コードの近くに半円形の切り欠きがあり、指先で触って場所が分かるようになっています。具体的には、「切り欠きが右になるように持ったとき、音声コードはその左側にある」ことが基本的なルールです。
これは小さなことに見えて、とても大きな「見えないバリア」への配慮です。
ある区では昨秋の時点で音声コードが導入されておらず、ある区議さんの依頼で選挙管理委員会の方にご紹介させていただきました。その後どのように検討されたのか、今回の選挙では導入されたのか。気になるところです。
現時点で都内のすべての区市町村でこの音声コードが導入されているかは分かりませんが、それでも少しずつ、確実に広がっているのを感じます。
行政からの通知はすべての人に届くことが大前提。誰かにとって読めない、分からないというのは、情報の公平さの点でも大きな問題です。
ユニボイスはそれを補う小さなツール。でもとても効果のある仕組みです。
私たちは、情報が「伝わる」だけでなく、「届く」ことを大切に考えています。
ユニボイスのような仕組みが、もっと当たり前になっていくように、これからもデザインの立場から応援していきたいと思います。