「あってはならないミス」を防ぐ

 

先日、『東京都のウェブサイトで、児童虐待防止を啓発するマスコットキャラクターの紹介文が「児童虐待推進キャラクター」と、「防止」の文字が誤って抜けていた』というニュースをやっていました。ご覧になった方もいらっしゃることでしょう。

 

▲「OSEKKAIくん」の紹介文部分の「防止」が抜けていた
▲「OSEKKAIくん」の紹介文部分の「防止」が抜けていた

 

「あってはならないミス」としてニュースで取り上げられていましたが、こういうミスは実は意外とあるものです。
今回ほどの大問題とまではいかないまでも、メインタイトルや重要人物の名前・肩書きなど「間違えてはいけない」ところの間違い。こういうミスは、校正する人が多い時ほど生じやすいように思います。「大事なところだからみんなが確認しているはず」「重要人物だから誰かがチェックしているはず」という気持ちを、無意識に持ってしまっているのではないでしょうか。

多くの人がチェックすることは校正の精度があがり間違いを見つけやすくなる一方、どこかで人任せになってしまうこともあります。人数が多いときは漫然とみなが同じように校正するのではなく、注力する点を分担するという方法もあります。例えば…
●原稿作成者や発行者として確認するチーム/元の原稿とのひき比べをするチーム/一般の読者・閲覧者の視点で見るチーム
●見出しを中心に確認するチーム/本文の誤字脱字を確認するチーム/内容の齟齬を確認するチーム

社史や年史などの場合は
●年号を確認するチーム/その時点での肩書きや人名を確認するチーム/本文と年表との整合性を確認するチーム

といった分担も有効です。
「チーム」の人数が多いとそれはまた「人任せ」が発生しかねないので、注力項目を細かく分けて一人一人の責任を明確にする、というのもポイントです。
一人一人が責任を持って校正し、「あってはならないミス」を防ぎましょう。