田中健太監督のドキュメンタリー映画「ぼくと駄菓子屋のいえ」を、シネマ・チュプキ・タバタで鑑賞してきました。映画館の入り口にはNaviLens(ナビレンス)のコードが設置されていて、NaviLensの導入をサポートしている私たちとしては、とても嬉しい発見でした。
「ぼくと駄菓子屋のいえ」
大阪府富田林市にある小さな駄菓子屋「風和里(ふわり)」を舞台にしたドキュメンタリー映画です。
店主の松本明美さんと娘のよしえさんが営むこの駄菓子屋には、学校や家庭に居場所を失った子どもたちが集まります。明美さんたちは、子どもたちに時に厳しく、時に優しく、まるで家族のように接します。映画は、そんな彼女たちと子どもたちの交流を通して、「居場所の大切さ」や「人と人とのつながり」を描いています。
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私が印象に残ったのは、駄菓子屋という小さな空間が、子どもたちにとって「家でも学校でもない、もうひとつの居場所」になっていることです。世話した恩を踏みにじられ、「もう知らん」と言いつつも顔を見せればまた温かく迎える明美さんたち。そしてカメラを向ける監督の眼差しもまたとても温かいと感じました。

シネマ・チュプキ・タバタとNaviLens
今回鑑賞したシネマ・チュプキ・タバタさんは、東京都北区田端にある日本一小さくて、日本一やさしい映画館と呼ばれています。
ここは「目の見えない人も、耳の聞こえない人も、どんな人も一緒に映画を楽しめるユニバーサルシアター」として、2016年にオープンしました。日本語字幕付き上映や、音声ガイド、音の増幅ができるイヤホンジャックが全席に用意されていて、車いすスペースや小さなお子さんと一緒に映画を楽しめる親子鑑賞室もあります。「映画はみんなのもの」という想いが施設のすみずみにまで込められている映画館です。
そこにNaviLensが加わったことで、より多くの人にとって「使いやすく、わかりやすい」場所になったのではないかと思います。
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このような映画館にNaviLensが導入されていることは、ユニバーサルデザインの素晴らしい実例です。
でも、まだ多くの映画館では、視覚や聴覚に障がいのある方が映画を楽しむのは簡単ではありません。だからこそ、シネマ・チュプキ・タバタさんのような映画館が増えていくこと、そして、NaviLensのような技術がもっと広まっていくことが大切だと感じました。
ユニバーサルデザインの取り組みは、障がいのある人だけでなく、すべての人にとって便利でやさしい社会をつくる第一歩です。映画館から始まる小さな変化が、やがて大きな社会の変化につながることを願っています。