先日、シネマ・チュプキ・タバタで、映画を鑑賞しました。この映画館は、障がいのある人もない人も、小さなお子さん連れや高齢者の方も、どんな人でも映画を楽しめるよう様々なバリアフリー設備やサービスを提供していることで知られています。
今回、私が鑑賞したのは田中健太監督の「風たちの学校」という作品です。
本作は不登校の子どもたちを受け入れている全寮制の高校のドキュメンタリーです。作品についての詳細は公式Webサイトをご覧いただくとして、監督がこの作品を届ける手段において、細やかな配慮をされていることに深く感銘を受けました。
その一つが『UDCast』方式による視覚障害者用音声ガイドや、聴覚障害者用日本語字幕への対応です。
視覚や聴覚に障がいがあっても楽しめるよう、音声ガイドや日本語字幕付きで映画を鑑賞できるようになっています。
もう一つは本作品のチラシについている音声コードです。
実はこの音声コードの掲載にあたり、ほんのわずかですが弊社がお手伝いさせていただきました(チラシのデザインは別のデザイナーの方が担当)。
音声コードはスマホのユニボイス(Uni-Voice)アプリで読み取ることで、印刷された情報を音声で聞くことができます。視覚に障がいのある方にとって、映画のタイトルや上映時間、あらすじなどの情報を手軽に得られることは、映画鑑賞への大きな一歩となります。
▶︎ユニボイス(Uni-Voice)についてはこちら
さらにはパンフレットを購入した希望者には音訳版のQRコードが提供されることです。QRコードを読み取ると、テキスト版と音訳版の両方にアクセスできるようになっていました。
音訳版では、なんと田中監督ご自身がパンフレットの内容を読み上げていらっしゃる!
見えにくい方でも、監督の声を通して映画への想いや背景などを知ることができるんです。

監督ご自身は、ユニバーサルデザインへの取り組みをことさらにおっしゃったりはしていませんが、作品からも作品の情報提供の仕方からも、「誰一人取り残さない」という想いを感じました。
今回の「風たちの学校」の鑑賞を通して、より多くの人々が分け隔てなく情報を得られる社会の実現に向けて、私たちも微力ながら貢献していきたいと改めて強く感じました。
障がいのある方もない方も、ぜひ劇場に足を運んで「風たちの学校」の世界に触れてみてください。
